発売日に本屋に買いに行けなくてキレそうになったくらい楽しみにしてた本、「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」を読みました。
数年前、浅草ゆめまち劇場でやった単独ライブにも行ったことがありまして、芸能界でかなり好きな人たちなんです。
二人を見てて好きなのは、言葉や会話周りがユーモアに富んでて、柔らかくて魅力的なところ。そしてなんか安心する。
自分が姉妹と同じ年齢になった時、こんな感じのユーモア持てる人でいたいなぁと思ってます。
あらすじはこちら
40代・独身・女芸人の同居生活はちょっとした小競合いと人情味溢れるご近所づきあいが満載。
エアコンの設定温度や布団の陣地で揉める一方、ご近所からの手作り餃子おすそわけに舌鼓。白髪染めや運動不足等の加齢事情を抱えつつもマイペースな日々が続くと思いき や――。
地味な暮らしと不思議な家族愛漂う往復エッセイ。「その後の姉妹」対談も収録。
この2人、今は同じアパートの隣部屋に住んでいて。もともと同居していたというのがすごい。
これについて妹の美穂さんがお姉さんに飽きる、(一緒に過ごす時間が)多い的なことを書いていてめちゃくちゃ共感しました。
その人が嫌いということでは決してなくてね!どんなに仲良しでもどっかで離れる時間は欲しいんですよね。
自分も友達との旅行で現地集合・現地解散でいいんじゃないかと思う時がたまにあるので。
美穂さん、お姉さんに猫タイプと言われていたけど自分もそうかも。
エッセイは日常のこと、仕事のこと等が変わりばんこで綴られていて、2人の朗読が聞こえてきそうな語り口の文章でするする読めてしまいました。
阿佐ヶ谷の街の人とも当然仲良くて、それがまたうらやましい。
地元の人との終わらないお返し合戦も人柄なんだろうなあと思うし、クスクスにやにや読んでたら定食屋の店主との話にうっかり電車で号泣しそうになったので、落差にやられました。
このエッセイ、途中姉妹それぞれが書いた恋愛小説が入るのだけど、そのレベルがまたすごくて面白すぎた。
目次で注釈もありましたが、ゴッドタン内であった企画がベースになっているもので、それを知ってる人はよりニヤニヤしちゃうと思います。私も読みながら合間におぎやはぎのツッコミが幻聴で聞こえてきて二倍楽しめました。
大好きなゼリーを題材にした美穂さんのファンタジー風小説もだけど、お姉さん=江里子さんの脚本(小説だけど)がまた素晴らしい。すぐにでも2時間ドラマ化できる。
旅館を舞台に…という物語なんだけど、江里子さんの表情も浮かぶし仲居の先輩の配役まで考えてしまいました。あー面白かった。
しかし江里子さんのこの文才と、美穂さんがライブグッズなんかの姉妹イラスト描いてるの知った時は多才すぎて好きが増しましたね。より憧れる〜
同居からお隣暮らしになったわけだけど、こういう暮らし方すごい憧れるんですよね。
個々の空間がありながら、近くに何かあった時支え合える存在がいるって心強いよね~と。そういうことを言うと「結婚すればいいじゃん」て言葉が真っ先にかけられるんだけど、それ以外にも色んな形で支え合える暮らしが存在してていいじゃんと思うんだよな。
シェアハウスとか、同居とか、同棲とか、お隣とか、色んなタイプの暮らし方が浸透すれば孤独抱え込むこともないのかなと思いました。
きっと自分がもっと老いた時には1人者たちが集まるマンションとかできてそうな気がする。
ふふふとニマニマ笑いながらあっという間に読めてしまうので、読書が苦手な人にもおすすめです。
ひねくれた自分の性格はとっくに認識してるし好きな部分でもあるんですが、そこにユーモアと穏やかさを含めて高めていきたいなという気持ちにさせてくれました。
あとどうでもいい日常を気軽に気楽に伝えられる相手を男女問わず持った方がいいなと思った…結局姉妹にお互いという存在がいるのがうらやましいだけかもしらんです。